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コラム

2023年2月3日

花と緑のアプローチの事例

 

花と緑のアプローチ

事例①~③とも設計・施工:イカリ設計

 

住宅や施設のアプローチを考えるときは、自然を多く

取り入れるよう工夫します。

 

植物を取り入れることで、季節の移ろいを感じたり、

その成長を間近に見たりと、五感が大いに刺激されます。

落葉樹は、花や実をつけ、私たちを楽しませてくれます。

 

それゆえに、枯れ葉の掃除や手入れも必要で、メンテナンス

フリーというわけにはいきませんが、管理しやすい植栽

計画や樹種選びで、潤いのある自然を取り入れた暮らし

提案をしたいものです。

 

■事例① バラが迎えるアプローチ

バラが好きな施主の要望に応えて、建物に傷をつけず

バラを誘引する方法として、木柱を設置しました。

やさしい雰囲気を出すため天然木を使用していますが、

風雨が当たる場所なので、比較的固いセランガンバツ材

しました。

背面には、バラを誘引するためのシュロ縄が結べるよう

に、フックを設けています。

木柱をつないでいるのは、ロートアイアンでつくった

オリジナルのバーです。

同じ雰囲気のアイアンフックも取付け、バラの咲かない

季節は、「玄関のオブジェ」や「ハンギングバスケット

掛け」として、玄関のポイントとなっています。

 

■事例② 木々の中を歩くアプローチ

駐車スペース2台分と、アプローチが一緒になっている

旗竿敷地です。

 

30~40㎝幅の植栽スペースをとり、リュキュウツツジ

やエレガンテシマなどを植栽しました。

床仕上げは、玄関へと導くように流線形を描き、アプローチ

となる部分は、自然石乱貼り仕上げとしました。

横にラインを描く草目地には、タマリュウを植え、細長い

アプローチを演出しました。

 

■事例③ 道行く人にも潤いを

L字形に、2台分駐車できるオープンな外構で、その中央に

門柱があります。

 

門柱のまわりには、植栽スペースを十分に確保して、ヒイラ

ギナンテンやタマリュウなど、通年で緑を楽しめる植物のほか、

季節ごとに、花を咲かせる草花スペースも取りました。

 

背景となる樹木は低木とし、門柱を引き立たせます。

門柱の上にも花を設けて、訪問者の目を楽しませる立体感の

ある緑を演出しています。

2台目の駐車場は、庭としても楽しめるよう、枕木と芝生で

ストライプ状の床仕上げとしました。

 

  彰国社  著者:水内真理子

【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】

「6章 植物を生かしたエクステリアの事例

  事例①~③とも設計・施工:イカリ設計、大矢朗子」より