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コラム
2023年1月23日
既存樹を生かした自然の住まい
思い出の既存樹を生かした自然の中の住まい
大阪府河内長野市M邸/設計:宝塚ガーデンアブリール
周辺は、オープン外構で統一された開放的なまちなみです。
そのまちなみの中に、公園の入口のような、自然素材と
木々に囲まれた場所に、この住まいはあります。
「季節の植物に囲まれた生活を楽しみたい。」との施主の
要望を満たすため、四季折々の表情を考え、緑が主役の
エクステリアを実現しました。
自然石でつくられた門柱まわりには、シンボルツリーの
ハナミズキ、また前面道路沿いには、常緑樹のゲッケイジュ、
落葉樹のジェーンベリーを植栽し、季節ごとにあまざまな
表情でまちを彩ります。
そんな樹木がつくるエントランス空間から続くアプローチ
にもイロハモミジやキンモクセイなどの樹木を植え、木々に
季節を感じながら建物へと続く空間演出を施しています。
細く長く続くアプローチは、公園の木立の中を歩いている
かのような気分になります。
そんな石貼りのアプローチは細長くスラロームさせて、
庭空間に統一感をもたせたイメージとなっています。
■主庭を眺めるベンチ空間
アプローチ中央の石貼りのサークルには、手づくりの
ベンチを設置しました。
親しい人と立ち話ができる空間でもあり、リビング前に
広くとられたタイル貼りのテラスのある芝庭を眺める
ことができます。
テラス正面には、以前の住宅からの思い出のハナミズキ
を移植し、家族の記憶を継承していきます。
そして、室内からの景観も意識したタイルテラスの脇に
は、大きなコブシの樹を配置し、いち早く春の訪れを感
じ取ります。
■植栽のポイント
四季それぞれに季節感豊かな表情を見せるように配植し
ました。
春から夏に咲く花として、ウメ、オリーブ、ジューンベリー、
ツリバナ、トキワマンサク、ハナミズキ、マユミ、
ムラサキシキブ、ユキヤナギ、秋から冬に咲く花として、
イロハモミジ、サザンカ、ヤマハギを選びました。
低木は、キイチゴ・クルメツツジ・コデマリ・コゴメウツギ
の混植、シロヤマブキ、ハマヒサカキ、モミジイチゴ、
リュウキュウツツジなど。
落葉高木には、アオハダ、コブ株立ち、常緑樹には
ゲッケイジュ、シラカシなどを植栽しました。
彰国社 著者:水内真理子
【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】
「6章 植物を生かしたエクステリアの事例
事例5 思い出の既存樹を生かした自然の中の住まい」より