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コラム
2022年12月12日
シンボルツリーで並木道をつくる
街路時はなくとも並木道はつくれます。
並木道は、四季それぞれの花・香り・実・小鳥など
が織り成すアメニティー向上の効果が期待できます。
各敷地内のセットバックゾーンにシンボルツリーを植え、
それが連続することにより、まち全体が並木道のベルトで
包まれます。
計画のポイントは、以下のようにまとめられます。
①並木道計画のポイント
1)敷地内に計画的に高木を配置して並木道をつくります。
道路の両側にある専有敷地内のシンボルツリーを計画的に
植栽し、連続させて並木道をつくり、さらに生垣や前庭の
ガーデニング、敷き際など、身近な緑の整備でまちなみの
連続性を図ります。
2)樹木が大きく生長したときの対策もイメージして、住ま
い手の理解が得られるような樹木を選定します。
また、管理に関するルールづくりも必要となります。
(建築協定など)
3)すべての敷地にシンボルツリーを植えなくても、まちの
入口やコーナー部などのアイストップ部分に高木を配慮し、
その他の敷地は生垣を主体に緑化しても効果は期待できます。
②シンボルツリーに適する樹木
住宅地のシンボルツリーに適した樹木は以下の通りです。
1)住宅にふさわしい、落ち着いた、あまり大きくならない樹木
アキニレ、オリーブ、カツラ、トウカエデ、トチノキ、ハナミズキなど。
オリーブ
ナナカマド
2)親しみやすく四季の変化を楽しめる花木や紅葉する樹木
エゴノキ、エンジュ、キンモクセイ、コブシ、サザンカ、サルスベリ、
ツバキ類、ナナカマド、ネムノキ、ハクウンボク、ハナミズキ、
モクレン、モミジ類など。
エゴノキ
ツバキ
3)紅葉や新緑が美しい樹木
紅葉:カエデ類、ドウダンツツジ、ナナカマド、ナンキンハゼニシキギなど
黄葉:イタヤカエデ、カツラ、ケヤキ、トチノキ、ナラ、ニレなど。
新緑:エゴノキ、カエデ類、ケヤキ、トチノキ、ヤマザクラ、ヤマボウシなど。
ナナカマド
カツラ
ヤマボウシ
彰国社 著者:水内真理子
【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】
「5章 エクステリアの植栽でまちなみをつくる
5-3 シンボルツリーで並木道をつくる 」より