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コラム

2022年11月28日

自然石と植物を調和させる計画ポイント

 

素材感を引き立てる組み合わせを考えます。

 

落ち着いた雰囲気をつくりやすい自然石と、植物

の組み合わせは、庭をつくるうえで、基本的な要

となります。

 

お互いの存在を引き立たせるために、計画段階で石の使い

方、合わせる樹木の種類をよく検討する必要があります。

 

より完成度の高い計画を実現するためには、事前に石の質

感や樹木の枝ぶりなどを確認することが重要です。

 

 

①自然石と植物を調和させる計画ポイント

 

1)石組みと調和

樹木を石と組み合わせるときは、石組みによってつくられ

た世界観をそこなわない植栽が必要になります。

これは、日本庭園においては、役木(やくぼく)と呼ばれ

ます。

この役木には、最初から決まりがあったわけではなく、庭

の景観の趣を出すため、長い歴史の中で培われたものです。

 

 

2)自然石擁壁に調和する植栽

自然石でつくられた擁壁や土留めには、やはり石の素材感

を引き立たせるために、植栽が大きな役割を果たします。

 

あくまで調和するものであれば、それほど和洋の様式にこ

だわる必要はありません

 

和風の庭であれば、雑木や多年草などのナチュラルな雰囲気

をもつ植栽を計画し、落ち着きのある空間を演出としたいも

のです。

 

エクステリアにおいては、擁壁は道路からセットバックさせ、

手前に緑を配することで、圧迫感を緩和させることが求めら

れます。

 

地域によっては、建築協定などによって、セットバックが決

められている場合もありますので、事前に確認をとって計画

します。

道路境界から、セットバックした部分と擁壁の間にできるわ

ずかな隙間には、コンクリートを塗り込まずスリットグリーン

をつくると擁壁の足下が自然に馴染みます。

 

 

3)石敷き

舗装材としても、自然な雰囲気をつくる石の素材は人気があり、

取り入れられることが多くあります。

さまざまな色合い、質感の石があり、それらの存在感を引き立

てる植栽計画が求められます。

 

石の材質としては、御影石や砂岩の単板を用い、市松敷き、

レンガ敷き、切石敷き、水紋敷きなどの敷き方があります。

 

いずれにしても、全面に敷くものではなく、目地に植栽し

たり、ピンコロや玉砂利でアクセントをつけます

 

 

  彰国社  著者:水内真理子

【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】

「4章 植栽と調和する素材の活用

  4-8 自然石と調和する植栽計画  」より