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コラム
2022年11月7日
枕木を生かした階段や土留め
枕木を生かした階段や土留めは、植栽で
自然に馴染ませやさしい印象に
枕木は近年、アプローチや花壇の土留めとして
盛んに使われています。
枕木の階段
元来は線路の枕木として使われていた中古の枕木を
エクステリアに使用していたが、最近では、海外から
の輸入もの、または新しい木材を枕木のサイズにカット
したものなどが中心です。
①枕木の特徴
断面の大きな枕木は重量感があるので、土や樹木、草花な
どの自然をがっしり受け止め、馴染みが非常によい素材です。
また、実際その重みで花壇の土留めなどを用いても構造的に
持ちこたえることができ、長さ(通常2.1m)があるので、
施工性もよく重宝します。
枕木を階段に使い、路面に部分的に草花を食えて「覆う」こ
とで、花畑の中を歩いているような、やさしいアプローチが
誕生します。
②枕木の利用例
1)花壇の土留め(縁取り)に使います。
花壇は水はけをよくし、園芸用の土を入れるため、周囲より
20㎝ほど高くします。
枕木をこの花壇の土留め(縁取り)に使用すれば、色彩面、
素材感、施工性などの点で最適です。
2)枕木で石積み擁壁の上に土留めを行います。
既存の造成地で石積み擁壁がある場合、石とその裏込め
コンクリートで50㎝前後は植栽ができません。
このような場合、石積みの上に枕木で土留めを行い、花壇
をつくり、下垂れのつる性植物などを植えれば、石積み面
の壁面緑化にもなり、まちなみが美しくなります。
3)階段に使います。
コンクリート、レンガ、タイルなどの階段は、印象とし
ても実際に歩いてみても固いです。
枕木を使った階段では、木という自然な材料が柔らかい
雰囲気を出します。
踏面の部分だけをレンガ貼りとし、草目地とすることで、
アプローチの階段であっても、庭のような空間にするこ
とができます。
踏面、蹴上げ共に、枕木を用いることがあります。
コンクリート、レンガ、タイルに比べて、施工が早く
できことも利点です。
4)フェンスのフレームに使います。
枕木のフェンスは、枕木という力強い材料のフレームで
囲うことで、領域を強調することができます。
また、枕木のフレームに取り付けたメッシュフェンスに
植物を絡ませば、機能としてはフェンスでありますが、
植栽を際立たせる装置となり、庭の重要な要素となります。
植物が生長すれば枕木が覆われ、見え隠れすることで周囲に
馴染み、エイジング効果の高いフェンスとなります。
彰国社 著者:水内真理子
【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】
「4章 植栽と調和する素材の活用
4-2 枕木を生かした階段や土留めの納まり 」より