column
コラム
2022年11月4日
ウッドデッキのデザインと植栽
ウッドデッキは
リビングと庭をつなぐ快適空間
●デッキのデザイン
1)ウッドデッキまわりのデザイン
せっかくつくったウッドデッキも、居心地のよい空間に
しないと、結局使われないまま朽ちてしまいます。
快適な屋外空間としてプライバシーの確保と、くつろげる
類の設置、植栽や手すりなどの設えを施し、場所として
の完成度を高めるようにします。
ベンチや手すりなど、ディテール(細部)を設えていく
と、アウトドアリビングと呼ばれる親しみやすい空間と
なり、家族の思い出がたくさんつくられるようなデッキ
となります。
下記の写真は、ウッドフェンスで囲い、ベンチや植栽で
場の演出を施した事例です。
写真4-1-3
2)デッキ床のディテール
床板と床板の目地幅は、5mm程度が望ましいです。
目地は雨水を通し、デッキを掃除する際のホコリなど
を落とすことができます。
仮に3mm以下にすると、長尺のデッキでは木のわず
かな反りなどでも目地がふさがってしまいます。
デッキ床板の継ぎ手は揃えずに交互に継ぐほうが変化
が目立ちません。
デッキは素足で歩くことを前提に釘頭は沈め、木栓を
詰めます。
端部は、デッキ床下の根太が見えたままのものが多い
ですが、風雨から保護する意味でも、デッキを美しく
見せる意味でも下記の図のように幕板を施すほうが
良いでしょう。
3)ウッドデッキと植栽
ウッドデッキの端部には植桝をつくり樹木を植え、ウッド
フェンスで囲い、ハンギングで飾り、フェンス際には、
ミニキッチンをセットしてパーティーに備えると良いで
しょう。
下記の図の事例では、ウッドフェンスには、つる性植物が
絡まり、隣家からの視線を遮り、囲まれた状態をつくり込
んでいるため、屋外でありながらも内部空間であるような
設えになっています。
デッキの空間は木質材料としての木のぬくもりと、植栽と
いう自然と季節感を同時に味わうことができる快適な空間
を実現できます。
4)領域を感じさせる設計
室内からデッキを見た場合、デッキ床と地面のレベルの
連続性が空間の広さの感覚に与える影響は大きいです。
下記平面図のA部の植栽をデッキのレベルまで上げるか
どうかで、室内から庭の広さに関する印象が大きく異な
ります。
下記の図は、植栽をデッキのレベルまで上げていない
ので、庭が高さで分断されて散漫に見えます。
また、生垣も高木も実際より低く見えます。
下記の図は、A部の植栽をデッキのレベルまで上げ
ています。
生垣や高木に高さが感じられ、建物から生垣までの距離
を一体的にかじることができます。
彰国社 著者:水内真理子
【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】
「4章 植栽と調和する素材の活用
4-1 ウッドデッキのつくり方 」より