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コラム

2022年10月21日

植物をライトアップするポイント

 

庭の景色を幻想的な光で演出します。

 

最近、エクステリアにライテイングを取り入れた、

光の演出を希望する人が多くなってきました。

 

特に、樹木をライトアップすれば、空間の

演出に大きな効果があります。

 

照明は、光を受ける物(物体)があってこそ、

初めて良さがでてきます。

光を受ける素材や色の違いにより、空間の雰囲

気は変化します。

 

さらに、防犯面などからも、住宅地の道路を明るくす

るニーズは高まっています。

 

シンボルツリーなどの樹木をライトアップして、街路

灯の代わりにすることができます。

 

また、塀の景観を幻想的な光で計画し、住まいを一段

と魅力的にすることも可能です。

 

LED照明の登場で、ランニングコストは軽減されま

すが、安易に多用すると「光害」の発生源ともなるの

で、直接光線が目に触れないように、光の方向と点灯

時間の制限には十分配慮する必要があります。

 

●植物をライトアップするポイント

ライトアップの計画にあたっては、演出したい

空間のイメージを想像します。

イメージづくりのコツは、どこに光のポイントを置く

を決めることです。

 

演出的な面では、明暗(陰影)、フォーカルポイント

(見せ場)、光の色や光の当たる範囲を考え変化をつ

けます。

一般には、直接光源が目に入らないように器具のタイプ

や設置位置を決めますが、照明器具をデザインの一部と

して見せる場合もあります。

 

1)樹木をライトアップするポイント

a)中・高木をシンボルツリーとしてライトアップ

玄関まわりの演出に適します

ライトアップが効果的な樹木は、葉が比較的密集し

ない株立の樹木です。

 

これらの樹木は、スポットライトによるライトアップ

が効果的で、真下から照射を行うことにより、樹木の

シルエットを楽しむことができます。

 

ライトアップされた樹木

代表的な樹木に、エゴノキ、シマトネリコ、シャラノキ、

ヒメシャラ、ヤマボウシなどがあります。

 

シマシマトネリコ

 

 

b)低木の演出

サツキ類やツツジ類などの低木類に対しては、下方配光を

意識すると、効果的なライトアップが可能です。

 

 

ただし、植え付け後、低木が照明器具の高さより大きく生長

してしまうことがあります。

設計時に将来の樹形を念頭に置いた照明器具の選択を行う必

があります。

 

地被類などには、器具のデザインを見せる据え置きタイプを

使用します。

 

ガーデニングライトアップ

 

 

2)アプローチの植栽をライトアップした計画事例

下記の図は、中・高木、低木をアプローチポイントごとに

配置し、来訪者に緑豊かな雑木林風の演出を、夜も楽しんで

もらえるプランです。

 

それぞれの樹木に相性のよい照明を選び、夜間の演出を施す

とともに、足下の安全確保を意識しています。

 

シンボルツリーAは、LEDガーデンライトで地面から投光

しライトアップします。

低木のBは、地面に据え置くタイプのガーデンライトで足下

を照らし、歩行の安全を確保しています。

 

 

  彰国社  著者:水内真理子

【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】

「3章 ゾーン別植栽計画のポイント

3-14 樹木をライトアップする 」より