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コラム

2022年9月5日

駐車スペースを目立たせない工夫

 

車がないときは庭の景色となるように

 

駐車スペースは住まいの敷地の中ではかなりの割合

を占めており、場合によっては庭より広い面積を

とってしまうことがあります。

 

常時、車が停まっている状態でなかったら、車不在

の時間は広い空き地が道路に面してポッカリ存在す

ることになり、通りの印象としても味気ないもので

ありますし、使い勝手という点からも有効ではあり

ません。

 

駐車スペースを庭らしくするというよりは、庭が実

は車を停める機能をもつスペースであるという考え

方をすると仕上げ材の選定も違ってきます。

 

●駐車スペースを目立たせない工夫

駐車スペースを目立たせない工夫としては

a.舗装しない。

b.轍を強調しない。

c.細かいディテールを施す。

以上のことで、かなりの部分は解決します。

 

頻繁に車や人の通る動線はタイヤの載らない部分は、

レンガや小さい石などの舗装材でデザインしたり、

下草類をあしらったりすることで、きめ細やかな

雰囲気をつくり出します。

 

また、駐車スペースと同じ舗装パターンを駐車

スペース以外でも少し使うと駐車スペースの強調を

やわらげる効果があります。

 

 

1)舗装しすぎない

下記の図は、建物のL字形にへこんだコーナーを

駐車場とした例です。

このような場合は、

a.後部車輪の車止めより後ろ(A部)は、地被類

を植えて緑を増やします。

リビングや子供部屋に面した駐車場の場合は、

車が出たあとを庭として使うことができます。

 

b.植生用ブロック(緑化ブロック)を使用します。

緑化ブロックはコンクリートブロックでタイヤの

荷重を受け、踏圧から植物を保護します。

 

 

2)轍を強調しない

「轍」は車を連想させるものであり、それを強調す

ると庭らしさが感じられなくなってしまいます。

 

また実際、車が駐車スペースに進入する際、前面

道路の幅員の関係で轍以外の部分にタイヤがかかる

場合もあるので、そこをデザイン的に補いながら、

耐圧の意味でも気をつけて舗装します。

 

 

3)細かいディテールを施す

同じ面積でも、コンクリートだけの舗装と、枕木や

レンガなどの自然素材で丁寧につくられた舗装では、

かなり印象が違ってしまいます。

 

舗装面は視野に入りやすく、与える印象を決定づけ

るものです。

その間やスペースを見つけて、住まい手が継続的に

つくり込んでいくことも、庭に愛着を持つきっかけ

になります。

 

 

 

  彰国社  著者:水内真理子

【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】

「3章 ゾーン別植栽計画のポイント

  3-7 駐車スペースを目立たせない工夫 」より