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コラム
2022年8月29日
家庭菜園づくりの注意点
家庭菜園をコミュニケーションに活用
家庭菜園(キッチンガーデン)は、植物を
育てる楽しみや、食べる楽しみを得るだけ
のものではなく、家族みんなで作業を行う
コミュニケーションの場として、注目され
普及しています。
そのため、作業のしやすさを見た目の美しさを考
えて、生活を豊かにすることに重きを置いて計画
します。
家庭菜園づくり注意点
①土壌改良を行う
野菜を上手に育てるためには、土づくりが不可欠と
なります。
よい土の条件は、通気性と水はけのよいことです。
造成された住宅地では、土壌改良が必要です。
家庭菜園をつくる場所を20㎝程度掘り下げて、周囲
を枕木などで枠組みします。
その中の土に真砂土と堆肥、配合肥料および有機
石灰などを混合し熟成させます。
畝は、20㎝程度盛り上げます。
※畝(うね)とは、「細長く直線上状に土を盛り上げた所」のこと。
以後、毎年苗の植え付けや播種の2週間前に土づく
りを行います。
②菜園の植栽計画を立てる
1)家庭菜園のサイズは、畝の幅が1本、60~90㎝
必要で、2本つくると10㎡ぐらいとなりますが、
家族で消費できるように多品種・少量の混植を
心がけます。
収穫時期と組み合わせて、草花なども混在させます。
2)ハーブ類、ネギ、ニラなどの、香りのする植物は、
虫類が好まない場合が多いので、菜園の縁取りに
ラベンダー類などを植えるのもよい考えです。
③収納計画と給排水設備を忘れない
肥料、腐葉土、道具類など、家庭菜園に伴う用具や
備品は多くあります。
これらが住まいの周辺に無秩序に置かれると、美観上
も衛生植えも好ましくありません。
植物への水やりのほか、作業終了後の手洗いのために
給排水設備は必須です。
給排水設備
④コンパニオンプランツとバンカープランツ
異なる植物を混植すると、それぞれの性質が作用して
病虫害の発生が減ったり、生長を促進し合うことがあ
ります。
その相性のよい組み合わせを、コンパニオンプランツ
といいます。
農薬の使用を抑え、野菜を元気に育てる手段として有効
です。
代表的なコンパニオンプランツを紹介
a.ナス+パセリやピーマン
b.タマネギ+カモミール+ニンジン
C.トマトの株下にラッカセイ
d.トウモロコシ+エダマメ
e.キュウリの足下にネギ
f.スイカ+アリーゴールド
ナス
キュウリ
これらは、基本的に異なる科に植物を組みあわせ
ています。
また、背の高くなるものと低いものなど、互いに
生育過程で邪魔にならないものを組み合わせます。
次に代表的なバンカープランツを紹介
a.ソラマメ:アブラムシを呼び込むので、周囲に
植えた野菜類は害虫の被害を抑えられます。
ソラマメの花
b.ソルゴー:ナスの害虫ミナミキイロアザミの天
敵、ヒメハナカメムシを呼び込みます。
ソルゴー
ソルゴーとキャベツなど、相性の悪い組み合わせも
あるので、植栽には一緒に植える植物の相性の善し
悪しも確認が必要となります。
彰国社 著者:水内真理子
【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】
「3章 ゾーン別植栽計画のポイント
3-6 家庭菜園のつくり方 」より