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コラム

2022年8月22日

中庭(坪庭)の計画のポイント

 

小さなスペースは、ていねいに

つくれば蘇ります。

 

中庭(坪庭)は、コートヤードとも呼ばれ、

建築物などで周囲を囲まれた庭のことです。

 

京都の町家などでは、広く一般に採用されており、

敷地の狭い都市型の住居では、貴重な半戸外空間

なります。

 

室内から気軽に、外へ出て活動できる空間を得るこ

とによって、室内でもなく屋外でもない新鮮な時間・

空間を創造することができます。

中庭は、視覚的にも、通風・採光という点からも

住戸内を快適にすることができます。

 

 

①中庭(坪庭)の計画のポイント

一般に中庭や坪庭は、周囲を二方以上建物に囲まれ

た場所であり、建物の内部に溶け込み、庭を近くで

感じられる空間となっていますが、囲まれることに

よって、気象条件が厳しくなることがあります。

 

風通しの悪さや、夏の日照の照り返し、排水条件、

日照時間の不足などです。

しかし、その空間の条件を踏まえて樹種を選び、

植栽を計画すれば、日常の生活の中で身近に緑を

感じることができます。

 

たとえ1本の樹木を植えるだけでも、常に緑が視界に

入ることになり、豊かな生活を送ることができます。

 

坪庭は、「家の中に風を入れる」という点で、健康

面からもお薦めします。

 

中庭や坪庭は、限られたスペースで、一方が敷地

境界に接している場合がほとんどです。

 

このような場合、室内から見える範囲のすべてを

植栽のためのスペースとして、ていねいに仕上げ

るように心がける豊かな空間になります。

 

 

 

彰国社  著者:水内真理子

【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】

「3章 ゾーン別植栽計画のポイント

3-5 中庭(坪庭)のつくり方 」より