column

コラム

2022年8月12日

コンテナガーデンのつくり方

 

地面がなくても草花で景色がつくれます。

 

プランターなどの容器を用いて、植物を植え

楽しむことをコンテナガーデンといいます。

プランターに植えられた寄せ植えそのものを

指す場合もありますし、それらをさらに組み

合わせて、庭として演出された空間を指す

場合もあります。

 

新たに計画するにあたって、プランターをひとつ置く

にしても、複数組み合わせて計画するにしても、通常

の庭と同じように、まずその空間全体を考え、その

空間や景色に合ったプランター、植物を選択して提案

することが大切です。

 

コンテナガーデン

 

 

①ひとつの鉢でつくるコンテナガーデン

1)計画のポイント

鉢そのものがモニュメントとして主張することもある

ため、鉢のデザインは重要です。

置く場所や、飾りたいイメージを考慮して、その場所

に似合うプランターの大きさ、素材、デザインを選び

ます。

 

植える植物の配置は、見せる正面を決めて、

以下のことに注意します。

a.鉢の奥には、丈のあるものを配置します。

b.手前には、ボリュームの出る草花を1種類と季節

感のある草花を2~3種類配置します。

c.正面の最前列は下垂する植物を配し、鉢を隠す

ようにします。

d.ひとつの鉢に寄せる植物は、日照条件や水の管理

法などの性質が似ているものを選びます。

 

2)犬走りにつくったコンテナガーデンの事例

犬走りは、植栽計画から対象外となる場合が多いです。

下記の写真は、北側の換気窓の下に置かれたコンテナ

です。

 

この部分がアプローチに面している場合、小さな窓が

気になります。

この事例では、窓の面格子にハンギングを吊るして、

コンテナと一体化して窓を意匠化しています。

犬走りや、玄関ポーチなどに設置する際は、雨水が掛か

らないので、自動灌水装置を設け、軒下や日陰など特殊

な環境下でも生育可能な植物を選ぶ必要があります。

また、住まい手とよく話し合い、継続的に管理の可能な

計画とすることが重要です。

 

 

②コンテナの組み合わせによるプラン

コンテナを組み合わせる場合は、鉢のデザインの組み

合わせを考慮しながら、それぞれ植物の生育に適した

コンテナを選定します。

植栽計画・デザインは通常の計画と変わりません。

植物の質感や遠近法や高低差による立体間の演出なの

で、その場の雰囲気に合う計画とすることが大切とな

ります。

 

1)下記の図は、玄関ポーチの計画です。

 

都市型住宅の場合、シンボルツリーなどを配置でき

ないほどエクステリア空間が極小である場合もあり

ます。

こうした場合、特にコンテナを組み合わせたガーデ

ニングは便利です。

玄関やドアのデザインに合わせ、鉢とともにゴロタ

石などでアレンジを加え、ナチュラルな印象に仕

げます。

 

ゴロタ石

上記の図に、採用した植物は、アイビー類、オリーブ、

タイム類、ラベンダー類などです。

 

2)前庭をコンテナガーデンとする

下記の写真は、前庭をコンテナで花壇とした事例です。

 

道路に面した門袖部分は、多くの人の目に留まります。

この部分は舗装も必要なため、コンテナを併用した

前庭とします。

狭いスペースを複数の鉢で立体的に構成し、常緑樹や

カラーリーフを基本に多年草で色どりを添えます。

 

 

彰国社  著者:水内真理子

【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】

「3章 ゾーン別植栽計画のポイント

3-4 コンテナガーデンのつくり方 」より