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コラム

2022年6月17日

気勢を生かした植栽

 

気勢を生かした植栽

 

植物には表と裏があります。

 

それは高木のみならず、中木、低木、小さな草花に

いたるまで存在しますが、それらがもつ気勢を見極

めることが大切です。

 

気勢の方向を把握して、見せようとする視線に対し

てもっとも美しい姿を表す方向が表です。

 

庭を見る人に対して植物の裏を見せるような植栽を

すると、不快な空間になってしまいます。

 

①水際の植栽

たとえば、サクラが水際に植えられていると、自然と

水を求めて頭を垂れていきます。

それが自然の摂理であり、もっとも自然な姿です。

水際の植栽

新たにサクラを植える場合は、それを再現するように

水の方向へ傾けて植えなければ、サクラとしての特性

を表現できません。

 

②樹木を群として見る場合

山の木々はそれぞれ独立した表情をもっていますが、

上向きの勢いで育っていきます。

気勢を意識した植栽

これは、木々の根元の軸線が地中の1点に向かって

求心性をもっているからで全体に安定した景観と

なっています。

 

こうした法則を踏まえて植栽することが、バランスの

よい植栽への近道です。

 

彰国社  著者:水内真理子

【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】

「2章 植栽計画の基本的な技法

2-3 植栽による空間演出② 気勢を考えた動きのある景観づくり 」より