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コラム
2022年5月20日
植栽工事3(移植の手法)
移植の手法
既存樹を生かすことは、家族の思い出の継続と
なり小動物にとっても生態系の維持としても
好ましいですが、樹木を同じ場所で残すことが
困難な場合は移植します。
しかし、移植しやすい樹木と移植が難しい樹木
があり、すべて移植できるとは限りません。
移植の方法には根回し法が一般的ですが、大型移植
機を使って、樹木を連続的に移植するTPM工法な
どもあります。
いずれの方法も計画的に実施しないといけません。
根回しの方法は以下の通りです。
①移植の適期をまもります。
針葉樹の適期は、10月~翌年4月。
落葉樹の適期は、落葉している11月~翌年3月
で最適期は萌芽前の3月ごろです。
なお、適期はほぼ植裁適期に準じます。
②根切り、根回しを行います。
移植前3ヵ月~1年前に根をスコップなどで円周状に
切り、細根を発生させます。これを根回しといいます。
根回しは、移植後の活着を容易にするための予備作業です。
根回しと同時に、枝抜きをしたり、枝葉を切り詰め、
地上部の蒸散活動と地下部の吸収力とのバランスを保つ
ようにします。
根鉢の大きさは、幹の根元の直径の3~5倍の大きさと
します。
③根巻きします。
根回しをした樹木を掘り起こし、根の部分をコモと
ワラ縄などで包みます。
根の乾燥と傷みを防ぎ、根鉢の根土を崩さない事が
目的です。
④運搬。
運搬に際しては、枝折り作業や幹の保護に気を
つけます。
⑤マルチングをします。
マルチングは、乾燥を防ぎ、暑さ寒さから守り、根の
再生を助ける目的で、移植した樹木の根元の土の
表面を覆うように3~5㎝の厚さで行います。
ただし、マルチングを厚くしすぎると、嫌気性の
バクテリアが土と空気のガスの交換を妨げます。
※マルチングとは、植えた植物の地表面(株元)を
ビニールなどで覆うこと。
彰国社 著者:水内真理子
【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】
「1章 エクステリア計画に必要な植物の基礎知識
1-11 植栽工事、植え付けと移植 」より