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コラム
2022年4月22日
樹木や植物による色彩調和の考え方
樹木や植物による色彩計画とは
「色立体とトーン(色の微妙な味わい)、調和」を考えることです。
樹木や植物における色彩計画も、一般に、土や木材・石などの自然の色は、
どのように年齢層にも受け入れられ、心を癒す庭をつくることができます。
植物や自然度材の色をベースに花やエレメント(要素)の色彩を加えます。
色彩計画のタイプには、大きく、トーン調和型、類似型、色相調和型に大別されます。
トーン調和型とは
同じトーンの色は、色相が違っても調和します。
トーン調和型は、花や葉の色彩のトーンを揃えることで
調和を図るものです。(写真1-4-2)
緑をベースに複数の色相を用いますが、抑えたトーンで統一することで
全体の調子を大人しく上品に整えられます。
トーン調和の型は、一般的にやさしく穏やかな景色をつくります。
特にやさしさを表現するには
ペールやライトトーンの自然色でまとめます。
色のコーディネートでやさしさを表したいときは
花を白、淡い紫、ピンクなどを中心としたペールトーンなどの
淡い色調でまとめれば、花数が増えても重たい印象になりません。
ひとつでも強い色調の花が入ると、それが主役となるので注意します。
類似色調和型とは
類似色調和型は、色相環のある色を主体に、隣り合う色でまとめた組み合わせで
調和を図る色彩計画です。
黄色とオレンジ色、赤とピンクは類似色の代表例です。
類似色調和型は、濃いトーンを使わず
ペールまたはライトトーンを主体とすると爽やかになります。
ベースの緑は常緑種やカラーリーフを多く用い
白い淡いトーンの花を織り交ぜ
葉色の緑の濃淡によるグラデーションをつけると
四季の変遷による微妙な借景の移り変わりを楽しむことができます。
濃いトーンの場合も、白を入れるときつい印象がやわらぎます。
写真1-4-3では、赤紫と紫という濃いトーンの類似色の背景に白を多く用いています。
また、白と、青・緑などの組み合わせは
涼しげで落ち着きのある雰囲気が生まれます。
青は静けさとゆとりを感じる色であり
白は清楚で爽やかな色なので、非常に相性が良いです。
色相調和型とは
色相調和型は、緑をベースに花の色は類似色の色相でまとめ
時にはアクセントとして補色の花も用います。
色相調和型の配色は、明るく快活な景色が多いです。
また、緑を起点に黄色・青紫色の色相を組み合わせると調和します。
緑の補色(赤)を加えるとより力強くなります。(写真1-4-4)
花は原色に近いヴィヴィッド(鮮やかな・鮮明な)系のものを選ぶと
より鮮やかになります。
濃い色の花は、見た目も楽しく、明るい雰囲気を醸し出してくれます。
快活な表情の花は、全体のバランスをみながら配置します。
彰国社 著者:水内真理子
【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】
「1章 エクステリア計画に必要な植物の基礎知識
1-4 植栽による配色計画の考え方 」より