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コラム
2022年4月21日
樹木や植物による配色の考え方
樹木や植物の色を効果的に使った癒しの庭づくりの考え方
人間のもつ五感の中で視覚は全体の87%を占め
目から入る情報はとても重要です。
心地よい気分にさせるエクステリア(庭・外構等)は植物の配色計画
によるところが大きいです。
脳に送り込まれた色の情報は心と身体にさまざまな影響を与えます。
視覚的に花などの色を感じることにより
脳が活性化され、園芸福祉の側面からも
よい心理的効果をもたらします。
色彩計画の基礎知識
色は、赤や青など色みを表す色相(いろあい)、明るさを表す明度、
鮮やかさを表す彩度、の3つの属性で示されます。
あらゆる色をひとつの立体的空間の中に
整然と配列し、色の3属性の位置づけが
わかるようにまとめたものを色立体といいます。
マンセル色立体やオストワルト色立体などがあり、それぞれ特徴があります。
色立体とトーン(色の微妙な味わい)とは
マンセル色立体はいびつな半円形の一辺を垂直にし
それを軸にして回転させたような形で表現されます。
その中心軸は、明るさを表す明度の軸であり
上端を白、下端を黒とした無彩色の配列で、横軸は彩度です。
中心のまわりは、「色立体で考える調和の色の組み合わせ」で説明するように
色相で分割されています。
図1-4-1に示すように
中心軸を含む垂直断面で見ると
高さ(明度)と奥行き(彩度)のそれぞれの位置に
多数の同系の色が配列されています。
色の配列は、上に行くほど明るく
下に行くほど暗く、また軸から離れるほど鮮やかになります。
この色の配列は、その色相の
「トーン(色の微妙な味わい)」の配列を示します。
色立体で考える調和の色の組み合わせとは
色立体を水平断面で見ると
それぞれの明度のところで、円形の色相の環ができることを色相環といいます。
色彩計画は、この色相環を色立体上の色の
位置関係をもとに考えると、調和のとれた配色となります。
色相調和の法則とは
- 無彩色調和 /色立体の中心軸の白~黒のモノトーンはすべて色相に調和する。
- 同一色相調和/同じ色相の中でトーンの異なる色を面積を変化させ組み合わせる。
- 類似色相調和/色相が似ている色の組み合わせは調和する。
- トーンの調和/色相が異なっても同じトーンの色は調和する。
- 補 色 /対角線をなす位置の色相は、コントラストで快活になる。
- 類似色+補色(二等辺三角形)の調和
彰国社 著者:水内真理子
【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】
「1章 エクステリア計画に必要な植物の基礎知識
1-4 植栽による配色計画の考え方 」より