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コラム
2022年3月30日
自宅から見える景色を考える
近景(人が見る景色)では統一と個性の調和を図ります。
身近な周辺環境との調和を図るには、周辺のまちなみの性格や外構スタイルを調べ
それらの景観との相性やマッチングについて、
統一する部分と個性化を図る部分について計画します。
一般的に、全体イメージにかかわる色調や素材感、
自由や解放感の度合いや基準となる高さなどは
周辺のエクステリア(庭・外構等)との調和を図り、
表札やアプローチ(道路から玄関に導く通路)、ポストなど身近な部分で個性化を図ります。
たとえば、商店や工場などが混在する地域ではシンプルな作り込みで広く見せる工夫をし
コンテナ(プランター)やハンギング(植物を植えて吊り下げたり掛けたりできる花鉢)
を活用して植物で潤いを与えます。
下町などの住宅が密集する地域では、道路が狭く塀が目立つため
敷き際(通りに面する敷地境界部分)のデザインへの配慮が必要であり
オープン外構(塀やフェンスなどを造らず住宅敷地をオープンにした外構のこと)で
広がりをつくります。
高級住宅地の緑の多い成熟した街並みに調和させるには
木や石などの自然素材が中心となり、オープン外構はあまり好まれません。
郊外のニュータウンでは、通行量が少なく広い道路が目立つため、
緑や草花で季節を感じられるエクステリア(庭・外構等)にします。
このほか自然の地形を利用した住宅地では、周辺の自然と調和するように
自然素材を多用して、人工的な構築物を目立たせない配慮が必要です。
㈱彰国社 著者:水内真理子
【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】
「1章 エクステリア計画に必要な植物の基礎知識
1-1 周辺環境との調和を図る 」より