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コラム
2019年9月1日
植栽工事、植え付けと移植 3
☆移植の手法
既存樹を生かすことは、家族の思い出の継続となり
小動物にとっても生態系の維持としても好ましいが
樹木を同じ場所で残すことが困難な場合は、移植します。
しかし、移植しやすい樹木と移植が難しい樹木があり
すべて移植できるとは限りません。
移植の方法には根回し法が一般的ですが
大型移植機を使って、樹木を連続的に移植するTPM工法などもあります。
いずれの方法も計画的に実施しないといけません。
根回しの方法は以下の通りです。
①移植の適期をまもる。
針葉樹の適期は10月~翌年4月、落葉樹の適期は
落葉している11月~翌年3月で
最適期は萌芽前の3月ごろです。
なお、適期はほぼ移植適期に準ずる。
②根切り、根回しを行う。
移植前3ヵ月~1年前に根をスコップなどで
円周状に切り、細根を発生させます。
これを根回しといいます。
移植後の活着を容易にするための予備作業です。
根回しと同時に、根抜きをしたり枝葉を切り詰め
地上部の蒸散活動と地下部の吸収力とのバランスを保つようにします。
根鉢の大きさは、幹の根元の直径の3~5倍の大きさとします。
③根巻きする。
根回しをした樹木を掘り起こし、根の部分をコモとワラ縄などで包みます。
根の乾燥と傷みを防ぎ、根鉢の根土を崩さない事が目的です。
④運搬。
運搬に際しては、根折り作業や幹の保護に気をつけます。
⑤マルチングをする。
マルチングは、乾燥を防ぎ、暑さ寒さより守り根の再生を助ける目的で
移植した樹木の根元の土の表面を覆うように3~5㍍の厚さで行います。
ただし、マルチングを厚くしすぎると
嫌気性のバクテリアが土と空気のガスの交換を妨げます。