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コラム
2022年11月11日
ウッドフェンスのつくり方
ウッドデッキは
自然や近隣と馴染む便利な素材
フェンスは道路と敷地、隣地と敷地を区切る
ものですが、金属製のものなどは、形状の
アレンジがしづらく、画一的で印象が冷たく
なります。
温かみのある素材として、ウッドフェンスのつくり方
を紹介します。
①ウッドフェンスの特徴
ウッドフェンスは、状況に合わせて制作することが可能
であり、植栽との馴染みもよいです。
印象が柔らかいので、隣地に対しても圧迫感を与えるこ
とが少ないです。
ハンギングで花を飾るなどをすれば、庭に対しても効果
的な景観スポットとなります。
②フェンス各部のデザインポイント
1)上部(ヘッド)のつくり方
ウッドフェンスやメッシュフェンスなど、支柱に木材を
用いる場合は、柱の切断面の小口を美しく収めることが
意匠上と防腐対策の点から重要です。
洋風デザインでは、「ギボウシ」がポイントとして用いら
れます。
ギボウシ
ギボウシの花
ギボウシに代えてプランターを柱の上に設置するのも
おしゃれです。
和風のデザインでは、水平線を強調する笠木を通し、
その役割を担わせる。
※笠木とは「防水工事を施工するパラペット(屋上などに
設けられる手摺壁)等の頂部に施工する仕上げ材」のこと。
2)本体(ボディー)のつくり方
ウッドフェンスでは、板材の張り方や塗装仕上げの色彩で
印象が大きく異なります。
建物との調和や全体のコンセプトとの整合性を図り判断し
ます。
一般に縦張りは和風の風合いになるが、白いペイント塗装
では洋風のデザインともなります。
最近は、洋風デザインの建物が多く、横張りが主流です。
水平線が強調され、スッキリとしたデザインとなります。
その場合、20㎜程度のスリットをつくり、内側に光と
風を呼び込むことも建物によっては必要なポイントとな
ります。
3)下部(フット)のつくり方
フェンスの足下に草花を植え、擁壁上部やフェンス下部の
水平線を打ち消すことで、柔らかい雰囲気を演出できます。
③さまざまなウッドフェンスのデザイン
ウッドフェンスは、設計者の意図により建物や環境に合わせ
ていろいろなデザインにすることができます。
下記の写真は、既製品のスチールフェンスの中央部分に木製
の横板を一枚取り付けたものです。
写真4-3-1
比較的ローコストで施工性もよいです。
スチールフェンスではありますが、横板で木の印象をつけ
ると表情が柔らかくなり、庭の植栽に溶け込みます。
下記の写真は、敷き際をセットバックして植栽し、ウッド
フェンスには季節の草花をハンギングで飾り、通りの景観
を良くしています。
下記の写真は、縦板の長さを少しづつ変えた波形デザイン
のウッドフェンスです。
天端がなだらかに曲線を描き、さらに横桟にステンレスの
帯板を用いており、平面的にも自由な曲線状に設置できます。
イングリッシュガーデンに似合うデザインです。
下記の写真は、力強いフレームに縦板張りしたウッドフェンス
です。
フェンスの前と裏の植栽が一体となって景色をつくります。
通風のスリットがないので、強度のある骨組みが必要となり
ます。
彰国社 著者:水内真理子
【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】
「4章 植栽と調和する素材の活用
4-3 ウッドフェンスのつくり方 」より