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コラム

2019年12月12日

気勢を考えた動きのある景観づくり   3

 

 

☆気勢を生かした植栽

 

植物には表と裏があります。

それは高木のみならず、中木、低木、小さな草花にいたるまで存在するが
それらがもつ気勢を見極めることが求められます。

 

 

気勢の方向を把握して、見せようとする視線に対して
もっとも美しい姿を表す方向が表です。

 

 

庭を見る人に対して植物の裏を見せるような植栽をすると
不快な空間になってしまいます。

 

 

①水際の植栽

 

たとえば、サクラが水際に植えられていると
自然と水を求めて頭を垂れていきます。

 

それが自然の摂理であり、もっとも自然な姿です。

 

新たにサクラを植える場合はそれを再現するように水の方向へ傾けて

植えなければ、サクラとしての特性を表現できません。

 

 

②樹木を群として見る場合

 

山の木々はそれぞれ独立した表情をもつが
上向きの勢いで育っていきます。

 

これは、木々の根元の軸線が地中の1点に向かって
求心性をもっているからで全体に安定した景観となっています。

 

こうした法則を踏まえて植栽することが、バランスのよい植栽への近道です。