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コラム

2022年7月22日

飛ばし

 

飛ばし

「飛ばし」とは、強調したい要素を分散させ

て、全体で統一感をもたせることです。

 

①「飛ばし」とは

エクステリア(庭および外構等)の植栽を計画する

際、四季それぞれに花を咲かせ、限りある庭の中で、

さまざまな植物を植えたいという気持ちは理解でき

ますが、それは正しい判断とは言えません。

 

多種多様な植栽は、実はまとまりのないということ

でもあります。

 

ファッションで考えれば、チェックの上着に水玉の

ズボンをはき、ストラップの帽子を被るようもので、

バランスを欠きます。

 

強調したい要素を分散させ、全体で統一感をもたせ

るのが「飛ばし」です。

 

 

②「飛ばし」のテクニック

植栽における「飛ばし」の事例を下記の図において

説明します。

 

Aの樹種を玄関前で見せておき、主庭に同種の樹木

を植えることで、全体に統一感をもたせます。

 

その場合、大きさの大小をつけながら、また建物に

対して遠近の差をつけながら配植します。

同じ時期に一斉に花を咲かせることができれば、

その効果は増大します。

 

Bの樹種は、Aに添える締めの役割を果たし、同一の

常緑樹でしっかりとした樹種を植えることで、Aの

役割を強調することができます。

 

 

1)エクステリア(庭および外構)の金物類のデザイン

 で「飛ばし」を 演出します。

 

エクステリア(庭および外構)の門扉やフェンスなど

の金物は、住宅の設計とは別に考えられることがほと

んどですが、門扉などのテイストを住宅のバルコニー

の手すり金物や面格子などに飛ばして反映させると、

全体的な統一感が得られ、住まいの風格が向上します。

 

2)アプローチの床舗装をテラスなどの主庭に飛ば

  し、統一感をつくる。

 

アプローチは、舗装パターンや素材を特徴的なもの

として、そのパータンや素材を主庭のテラスなど、

庭の外部空間にも部分的に用いることで、パータン

デザインの「飛ばし」を行い、住まい全体を一体的

に計画します。

 

 

 

彰国社  著者:水内真理子

【植物を生かしたエクステリアデザインのポイント】

「2章 植栽計画の基本的な技巧ト

2-14 植栽による空間演出⑬ 飛ばし  」より